『推しが俺を好きかもしれない2』感想(ネタバレ有り)

『推しが俺を好きかもしれない2』読み終わりました。
なんか熱い感想文を書いたのに全部消えたので2回目の熱い文章です。
【全テキストエディタに捧ぐ!!!!】……いや、エディタに怒ってもしゃあないか、保存しとけよ


あらすじからある通り、今回は文芸部の幽霊部員、檜原由女から告白を受ける所から始まります。
一巻から名前と軽いエピソードくらいは出てきましたが……ついに出たな。



檜原さんとの各エピソードであったり、推し(花房憂花)がなんか本音というか、なんか色々ダダ漏れでは?みたいな話だったり、推しと推しがバトルしたりな一冊に仕上がってました。


いやー、凄いこの二巻を待った気がします。
若いころならいざ知らず、もう歳もだいぶとったので、「え、あれってもう○巻まででたの?」みたいなことを思うことの方が多くなってきましたが、これは別。
期待しまくってたのかな、凄い待った気がする。


話を戻すと、今回からメインで出てくる檜原さんですが、もう表紙から凄い可愛い。
一巻の憂花ちゃんも、もちろん良かったのですが、二巻の表紙……良い……(絶句)って感じ

見た目から小動物系の可愛さがある子かな?みたいに思っていたのですが、確かにそういう面もあるにはあるとは思いますが、凄い変だし、熱い想いを持って推しとして出てくるし、おもしれー女。

夜宮くん、こういうおもしれー女なら好きそうだし

とか憂花ちゃんに言ってる場合じゃないっすよ檜原さん。


あと、檜原さんが夜宮くんにラブレターを読ませるシーン。

あはは!あははって言ってる場合じゃないか、あはは!(ここ、夜宮くんの文章っぽくない?ぽくなってたら嬉しい)

とかありましたけど、いうほどぽかったですか?


……いや……ガチ勢の豪傑丸さんがそういうなら……ぽいでしょうけど……。


ブログの文章とか2記事くらいしか出てこないのでよくわかんないですけど、夜宮くんがあははとか言ってるシーンってあんまり記憶ないんですよね。
どっちかというと憂花ちゃんが言ってるが言ってる印象かなあ。
というのを踏まえると、憂花ちゃんと一緒に過ごすことによって、夜宮くんの文章にも影響を及ぼした可能性が……?

いや僕、人の文章見て「あれ?なんか書き方変わった?」みたいな感想持ったこと一回もないくらいのボンクラだから全然よくわかんないんですけど。
しまいには「『あはは』の部分じゃないよね?」って言われながら檜原さんに夜道で刺されるかも、あはは!


とはいえ、憂花ちゃん自体が強烈ではあるけど、それに勝るとも劣らない強力なキャラ。
アピールの仕方が方向音痴感があったり、本人は本人なりに凄い頑張って話して、自分へのご褒美にお笑い動画見ちゃう、けれども他人から観れば「え、それだけ?」みたいな頑張りであったりするかもしれないですが、
自分だけ知ってる小さな素敵で大好きな場所、みたいなのを他人に発見されて荒らされていく様子を見て、柄にもなく頑張るみたいな姿みたいなのはすごく良かったです。

もちろん変な子だけどね。変だけど頑張ってる。あと超かわいい。



ただ魅力的、あまりに魅力的であるが故に悲しい。
メタ的には、次巻が出るとしたら新キャラが出て、さらに憂花ちゃんのライバルが増え……みたいなのが定石。
紙面のスペース上、出番は圧縮されて「あの子、二巻がピークだったよね」みたいなキャラになってゆくのが世の常。
そういった悲しさを感じます。

だからこそ人は二次創作やらアンソロジーやらに救いを求めるのかもしれないですね。もっとサブキャラにスポット浴びせて見てみたいもの。
僕は作者が公式に一般商流に流した作品しか信じないのでよくわからないですが。


檜原さんの話題だけ書き連ねてましたが、憂花ちゃんも夜宮くんも良かったです。
一巻の最初は、ただの暴君かと思ってたけど、ファンを大切に思ったり、負けたくないみたいな気持ちの表れであったりが見えてきてU-Kaではなく憂花ちゃんが魅力的に映る、みたいなのが良かったですが、二巻は二巻でなんかポンコツ化してる部分もありましたが、覚悟を決めたり寄りかかったりとさらに変化を遂げてるみたいな感じでした。
檜原由女と戦うためか自分自身と戦うためか……肝の座り方が漢らしいっすね。

夜宮くんは……同性なのでよく分からないです。
いやまあ、自分の中で描き守っている、オタクとしての矜持みたいな殻を壊して歩みよっている姿は良かったです。
ただ、向こうが全力で走って向かってきてるのに、こっちは徒歩で来た、みたいな速度の違いを見せつけられると「あれ?遅くね?」みたいに見えちゃったのかもしれない。
人には人の速度があるから、うん。


と言った感じの感想文でした。
待つ時間は長いのに、読んでしまうとあっという間。

とは言え、人間なんて身勝手なもんで、出来が悪ければ「出ない方が良かった」とか言い出すし、良ければ良いで、出た直後から「続きはよ」とか言い出す始末。
人間身勝手なんだから、憂花ちゃんも檜原さんも夜宮くんも、今後も身勝手に生きてほしいな、そう思う次第。

……ところで三巻はいつ出ますか?